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田淵民男さん
【有機野菜】
宮崎県 綾町 (2005年11月号 ありがとうダイコン)
有機発祥の地と言われる宮崎県綾町で最も古くから最も完璧な有機農法を実践し続けています。誌上では、ダイコンを中心に取り上げましたが、様々な野菜を作っておられます。
田淵さんのにんじんは、にんじん嫌いのお子さんが大好きになります。 |
■おすすめ野菜リスト
ジャガイモ/ニンジン/白菜
※ダイコン(10月〜1月ころ。その年によって違います)
1本120円〜150円で、一箱10本で送料1000円(関東、東北まで)です。田淵さんのダイコンは、35cm〜45cmくらいの長さで1〜1.5kgほどです。涼しい時期であれば10日以上持ちます。
■お問い合わせ
田淵さんの有機ダイコンや有機野菜について
電話:0985-77-0868
※お昼ごろや午後19時ころがつながりやすいです。夜遅くのお電話は、朝が早い方ですのでご遠慮くださいませ。 |
おいしさの秘密
■日本一豊かな照葉樹林をバックにした畑
日本で最大規模の照葉樹林がある綾町。田淵さんの畑は、その森の入り口にあります。たわわに実と付けたミカンやレモンなどの果樹もあちこちに植わっています。野菜畑をめぐっていると、頭上では小鳥のさえずり声が・・・。落ち葉の道を踏んで歩いているうちに、森の一角を散歩している気分になってきます。
果樹の中果樹の中に畑があるのは風や雨から野菜の生育を守ってくれるというメリットもあります。
照葉樹林、そして自然と共生する有機農業や工芸などの産業が売り物の綾町で、もっとも自然に近い場所で農業を手がけてすでに30年のキャリアがある田淵さん。ファンもたくさんいます。都市からの見学者もよく訪れることがあります。
「3年前にお子さん連れの30人ほどのグループが見学に来ましてね。引き抜いた人参をあげたら3歳の子がボリボリっとかじって、『もう一本くんない?』って言いましたよ」(笑い)田淵さんの野菜は、野菜嫌いの子どもが喜んで食べることでも定評があります。「お子さんが食べず嫌いになるのは、食べたものがまずいかったからではないしょうか」
農薬や化学肥料などに一切頼ることなく、愛情を込めて手をかけて育てた安全な野菜は美味しいということの証明です。
■工夫して楽しく栽培するのが美味しさの秘密
趣味は?と聞いたら「仕事」という田淵さん。頭も直観力も五感も駆使して工夫を重ねていくのが楽しさにつながるといいます。
「それは楽しいですよ。同じ圃場で同じことをやっても、いいときも悪いときもあります。いろいろ工夫するのがね…。そして、植物が元気に育ってくれるのが何より楽しみ。人間は、早く太らせて早く売ろうと思いますがね…。長年やっていると。植物の気持ちが分かってくるんですよ。
今の農業は耕すのも刈り取るのも機械でやりますが、それで若い農業者は土の有難さを分かるのかなーと心配になります。どんな土が出来るのか確かめるには裸足になってみると土の感じで分かるんですよ」(田淵さん)
田淵さんの数ある野菜の中で、ダイコンは人参に次いで評判がよい野菜です。しかし、田淵さんのダイコンは市場ではあまり見慣れない品種です。
「『くらま』という品種です。育てるのは難しいけど甘くて柔らかいのが美味しい。
種屋に『やめておきなさい』と言われました。『10人中1人成功してよいほうだと・・・』挑戦するのは好きですからね。それがまた楽しみでもあるんです。
作った野菜は何でも最初に自分が試食します。いろいろな調理法を試してみます。野菜をお分けするときにも試して美味しかったレシピをご紹介しています。このダイコンは漬物にしても卸しにしても美味しいですよ」(田淵さん)
作りやすい野菜、売りやすい野菜ではなく、美味しい野菜を売り物にする田淵さん。一貫した姿勢を崩さず挑戦は今日も続きます。
おいしいダイコンのレシピ
■田淵流おいしいダイコンの酢漬け
田淵さんに美味しいダイコンの調理法は?とお聞きしたら、このレシピを教えてくださいました。「くらま」の特徴が生かされたレシピだということです。
●材料
ダイコン3kg
砂糖 450g
酢 200〜215cc
塩 100g
●作り方
ダイコンを、そぎぎりにして、砂糖、酢、塩を混ぜ合わせた液の中に漬けます。そぎぎりにするのは、繊維に沿うようにして切るということです。大きさは、お好きな大きさでお願いします。漬けてから2日目から食べられます。冷蔵庫で1ヶ月ほど保存できます。
■切干しダイコン
ダイコンを切干しダイコンにすれば、長期間保存できます。100g中に含まれる栄養価も高くなります。カリウムは3200mg、食物繊維は20.7gになります。
●作り方
1. ダイコンを洗い、皮をむいて、長さ5〜10センチ、幅1〜3センチ程度の薄切りにします。
2. 1をざるや網などに並べ、天日に干します。まんべんなく全体が乾燥しやすいように並べなおしたりします。カラカラになるまで2日〜7日ほど干します。(夜は取り込みます)
3. 湿気ないように(乾燥剤と一緒に)保存します。
■ダイコンの特徴
ダイコンの葉と根の部分では含まれている成分が異なります。葉には、カルシウムやビタミンAとCが多く含まれています。ダイコンの葉を常用しているとみずみずしい肌になるといわれています。
根にはビタミンCとデンプン消化酵素のジアスターゼが多く含まれています。ジアスターゼは熱によって効果が失われるのでダイコン卸しで食べるのが最適です。ダイコン卸しを常食にすると胃腸の調子を整え、便秘の解消にもなります。
また、ダイコン卸しは、皮ごとすったほうが効果的です。卸すときは卸し器に垂直に当てるようにすると繊維が細かく切れてきれいに仕上がります。
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