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諫早湾はだれのもの? 〜分かりやすく諫早湾の全貌をお伝えします〜

漁師の声〜平成14年1月9日 小江工区ゲート前にて収録〜

南高木郡、島原の漁協からと有明町漁協から2つの組合、4県ネットワークで総勢約40名くらいが工事再開に反対するために来ていました。その中から何人かにインタビューすることが出来ました。

●橋本武さん 54才 長崎県南高有明町漁協(島原の少し手前)
「今はカニ(渡り蟹、地元ではガネと呼ぶ。ガガミの事)をとっている。タイラギは、12,3年廃業。カニはギロチンをやってから壊滅状態だったが昨年工事をやめたら、放流したカニだけはある程度育った。1匹200から800gのカニ。
放流してから来年の夏まで約1年生きる放流してから3ヵ月くらいで商品価値が出るが、工事が始まってからは身が入らない商品価値のないものばかりだった。」

「水門を締め切ったあと、その軟弱な地盤を固めるために凝固剤セメントを使った。
その成分、あくが海へとけだし 珪酸を成分にした異常プランクトンが発生した。改善の申し出をしたが、まったく無視され、干拓工事はどんどん進められた
汚水は毎日出ています。南側と北側から。中の水をマイナス1m保つために。

その汚水は、風や塩によって対岸まで届く事がある。(先程述べたように)その中の成分が溶け出し珪酸を主成分にするプランクトン(が発生した)ということもはっきりしている。珪酸のえさは、凝固剤。

61年のアセスを真に受けて同意した。あの当時自分達がだまされた。特に諫早湾には影響ないということで同意した。一番メインにしていたタイラギが壊滅した。それなのに薦められた。」

平成7年8年に業をにやして海底にもぐった。諫早湾口 有明海中央に向かって7000m沖合いのところにもぐった。ヘドロがたまっているのが見えた。50cmから深いところでは1mのヘドロ。 前はきれいな砂地でタイラギの生息場所だった。これでは、タイラギは生息状態じゃないから見切った。

農政局に湾外の調査も申し出たが湾外は権利がないから調査はしないと農政局がいった。そういうところですよ、ここは。工事だけ優先するところ。調査開門調査は10cmじゃ分からない。水門を大きく堤防を大きく開けるか、長期に渡りしなければ潮が流れなくなったというのは、明々白々。魚場調査委員会の資料にものっている 実際に農水省は認めようとしない 潮はよどんで堆積して貧酸素状態。魚はいない死の海になる寸前です。

●前田さん 45才 (女性) 熊本県荒尾市の海苔漁師
「あー今日も一日仕事がされんようだった。あの人達は給料もらうやけえ。(九州農政局の工事を再開しようとしている人達の事を差している)わたしたいは給料ないよ。間でかせがなんと。工事が止んどったからここ少しとれてたけど、現に平らぎは今年4年目全滅。アサリもとれない。たまたま去年はここの工事の影響で色落ちしたけど、ただ、工事が止んでる事だけが救いあとは何も解決していない。また掘り上げたら同じ事が起こる。ここの汚水が有明界にでれば4県全部が被害にあう。

何でこの時期の忙しいときに何でこんな工事しなければならないのか。海苔やが出られんこの時期に 魚連会長の承諾得たからと言って魚連会長が漁民一人一人の生活を見切れるのか。工事は始めてよかと簡単にそげん軽々しく言えるのか漁業権は個人にあると。」

「昨年の海苔の収穫は例年の3分の1。 *秋芽だけという感じ。*冷凍になった時点で色落ちした。(網を)張られん状態に色落ちして…莫大な資本をかけて(いるのに)1年間の生活費を冷凍の網で(という予定だったが)今から(その)1年分かせがななんねいというときに・・・。

一昨年は1月中旬でおわった昨年は12月の初めにおわった。冷凍を張るか張らんかで今年は11月でも種がつくかという心配はあったけど工事が中断していたから・・・とれるようになっていた。うちは、荒尾でも一番大きかほう 34こま 35こまという人もいるけど 2番目に大きかとこたい。」

*秋芽は、1回目に張る海苔網で秋に収穫する。冷凍網は、秋芽を冷凍しておいて2回目に張る海苔網のこと。

●西川 等さん 熊本県 荒尾漁民
「昨年は、1日から抗議行動に出て(その時に)諫早湾の状況をビデオカメラにとってそのプランクトンの状態をうちの組合長が第3者委員会の皆さんに第1回の協議会で見せている。これは非常に影響力があった。

荒尾は熊本県の中でも被害が一番大きかった。県でも漁業再生にむけて補助事業を…福岡県のように全部の漁協の被害がひどければあれですけど、(熊本県は)南のほうはとれていた昨年は色落ちした状況でも被害意識が南のほうは薄かった熊本県の中ではまとまるのに苦労した。工事は環境だけでなく人間性まで変えてしまった。
海苔網は24こまだから、240枚。ギロチンしてから70%くらい (30%減)」

「(荒尾の海で)海水面が目の前でぎらぎら光っているおかしい、普通ではないと思った プランクトンが異常繁殖している 一昨年の暮れにその情報が入ってきたなら1日に行こう 海上デモをおこそうと有志でやった。それからが諫早問題の始まり あまりにも悪い状況を見て寝込んだ。 親父のあとをついで漁業に専念した海に誇りを持っていたそれが駄目になってショックです。」

「海水面がぎらぎら光っている」について同じコメントを多くの方からいただいた。荒尾の前田さん(前出)は、この事について次のように述べていてる。またこのガラスのようなプランクトンは、珪藻赤潮のことでリゾソレニア赤潮のこと。

「昨年元旦にデモに来たとき、水門のところからギラギラしたもんがうつっていた。あれはひどかった。ガラスの割れたようなものがぎーぎーと。グラスファイバーみたいな。今までみた事がない。

魚が生きていけるような状況でない30年漁師してきたけど、あの諫早湾のみたら涙がでた。あそこで、ようするにプランクトンを繁殖させて出しているようなもの。あれは、いまだかつてみた事がない。

はっきりと印象に残っている。グラスファイバーのような。見た事ない。糸状にひっぱってぎらぎらしてた。
今年は見えない。工事が中断して下に閉じこもっている。ヘドロ巻き上げたら毒水を流すと同じ」

●大鋸 (おおが)幸弘さん 佐賀県大浦漁協
「タイラギをとって生計をたててはいたが、… タイラギは去年、一昨年くらいから…去年まったくゼロ、佐賀県のほうは小長井と同時にやられたようなもの。福岡県のほうに住居ができたから生き延びた。

諫早湾に近いほうからやられていったかあちゃんが子供を連れて逃げるかの瀬戸際 家庭破壊の瀬戸際になっている 干潟をとりもどし有明海の再生ができたらね、誰も生き延びることは出来る開門調査は漁師にとっては希望の光。

今は カニをとっている カニも今は冬眠の時期になっている 砂の中にもぐる 春になったら出てくる。(今の時期はカニは少ない)瀬戸内海にタイラギがいる。それを私のほうに宅急便で送ってきてそれをここで売っている。

大浦からは、今日は私と2人(が来ている)。大浦はタイラギを主体としたところ。タイラギがなければ漁業がなりたたない。魚もとれない。豊かな自然があればよいけど。

もぐり船が岡山にいきおったころは夏は仕事しなかった。網の消耗分とれないから。半年は遊び半分の仕事で貝で食えた。有明海の機能は死んでいる。酸素不足。海を浄化しようとしてあさりをまいた。

救済事業ですべて酸素不足で死んでしまっている。酸素がないので浄化能力もない。かえって死んだ貝が腐敗で燦爛して逆効果 相当まいている 何百トンもまいている夏前くらい 7月くらい アサリはデリケートなようで強い(のに)海苔以外は瀕死の状態長崎県は北海道に次ぐ水産県というが今は全く逆 それで誰が喜ぶか」

●長崎県 島原市の漁師
「島原は瀕死の状態 命がけでやっている 小江地区は、漁業補償で解決して…。小長井漁協組合長 新宮たかき 有明商事 諫干で儲かったようなところ。

結局山を切り崩し自然を破壊し ここでしか生きていく事が出来ない 農水省の仕事をしたら他の仕事ももらえる あちこちで建設業界に引っ張りこんで ヘッドハンティング 有明界はそれが顕著 壊して食えないからこっちにこいよ」

「工事が始まる前までは、その当時の平均的サラリーマンの給料よりよかった(が、) ギロチンからパートのおばさんよりも負けるような感じ。

漁船漁協 (は、) ひらめ、くるまえび、あかぐち、しらぐち(ぐちの仲間)(をとる)工事が始まって以来 あかぐち、すずき、たちいわしが絶滅状態になった。

寸前がくつぞこ(したびらめ) ひらめ 夏場は悪かったけど、工事が中断して10ヵ月でくつぞことか、あかぐちが全然いなかったのが出てきた。ちょこっと出たかなという感じ。 セメントのあくが流れでんけん。」

「今年海苔が豊作なのは、工事中断でヘドロがまきあがらずプランクトンが出ないから。絶滅寸前からみればちょっと良かった 100あったのが20くらいになっていたのが、工事がそのままなら10か5。工事が締め切り当時に100あったのが20通常なら今年悪くなって5か10にならないのが、25になったという感じ」

●森 あさこさん(森さんの奥さん)長崎県 小長井
「アサリ種を入れなくなって3年。入れても死んでしまうし、種を入れないと資金が回らないし。アサリを取らないと種がとれないのだから、(種を)買って知り合いから借りて1000万円種をいれた2年前からいれてない。

(主人は)自然に種が発生するような山を作ったり…砂で山を作る土地作りで20年前に農林水産大臣賞をもらった。 養殖場は、2万3千坪ある。小長井でも一番うちが古い養殖はおじいさんの時からやっていて30何年やっている 」

「ギロチンを締め切るようになってから赤潮が多発し(貝、魚が)死ぬようになった。
2年前くらい、ここらへんで小さな稚魚が大量に死んで海面に浮いた。ふぐとかヒラメとか小さいのがいっぱいいた 貝ももちろんだけどこんな小さい稚魚がこんなにおったのかというほどびっくりした。

この辺いったい魚の死骸の臭いでくさかった 。汚い水をためこんで1年くらいたってからひどくなった。ある程度淡水化してしまって。工事をしている人が海にもぐってしびれると言っていた

干拓工事の現場は漁師さん達がほとんどやっている。石をならべたりするのにもぐる。大抵の人は干拓工事に従事している。半分土建業で半分漁師」

赤い文字の部分:諫早湾周辺が魚の育つゆりかごだったことを物語っている。

●有明海の基本的様相
(有明海が宝の海と呼ばれる理由)

有明海は日本一個性的な内湾。
その理由は特殊な環境特性とそれによって育まれてきた有明海の生物相のユニークさにある。

有明海の生物相の重要な特徴は、たくさんの特産種や準特産種を有すること。

特産種は、国内では有明海だけ(隣接する八代海の一部を含む例もある)にしか分布記録がないものであり、23種が数えられている。準特産種は国内では有明海を含む一部の海域のみ分布記録があるものであり、少なくとも40種以上あげられる。

つまり、諫早湾から消滅すれば国内では絶滅あるいは世界的にみてもその可能性が高い種がたくさんあるという事。

●海域の基本的特性について
・有明海全体の面積は1700平方キロメートルで伊勢湾とほぼ同じ大きさ。

・奥部と中央部東側は、多くの河川の流入により陸水の影響を強く受け遠浅の干潟のよく発達した海域になっている。中央部西側や湾口部は海底の傾斜が急で広い干潟は発達せず特に早崎瀬とから島原半島に沿った海域にには推進の深い窪地がある。

・平均水温は(水深0〜5m)は2月に最低となり、湾口部で12〜14℃、中央部で9〜10℃、奥部で8〜9℃。5月〜6月にかけて急速に上昇し、8月の最高時には湾口部で24〜26℃、中央部と奥部で27〜28℃(場所によっては30℃)となる。水温は、1つの場所でも日射や降雨などの要因で大きく変化しうる。奥部のごく浅い海域では1日の水温の較差が7℃に達することもある。

・ 有明海の奥部と中央部東側の海域は河川水の影響を強く受け、湾口部に比べて塩分が低い。平均的な値では、塩分は降水量の少ない1〜5月には有明海の湾口部で33.5〜34%、奥部で29〜30%。6月〜7月の降水量の増大に伴い低下し、7月には湾口部で31.5〜32.5%、奥部で25〜28%となる。ただし、河川流量の変化や河口からの距離、潮汐の影響などにより塩分は大きく変化する。

・有明海の潮汐は日本最大。広く浅い内湾と狭い湾口の地形が関係。有明海内部の海水の固有振動の周期が、外洋から入ってくる潮汐の周期とほぼ一致し共鳴現象を起こすためと考えられる。潮差(満潮時の潮位と干潮時の潮位の差)の最大は、湾口部で約4m、中央部で5〜6m、奥部で6〜7m。

・有明海は、大量の浮泥によって透明度は年間を通して0.5〜3m。このような高濃度の浮泥は国内では例を見ない。浮泥は、滋養に富んだスープのようなものであり、有明海の高い生物生産と浄化能力に深く結びついている…

●なぜ大量の浮泥が有明海に?
→「遠浅の干潟が広がる奥部や中央部東側では、流入する河川によって様々な陸上起源の物質が持ち込まれる。そのなかに細かい粒子の粘土鉱物も含まれる。粘土粒子は淡水中では分散して懸濁しているが、海水中に入ると塩類イオンと反応し粒子どうしがくっつきあって凝集する性質を持つ。

この際に、水中の栄養塩や有機物なども吸着して綿毛状の懸濁物質(フロック、あるいは粘土起源デトリタス)に成長する。その大きさは数μmから数mm(場合によっては数cm)で大きくなった懸濁粒子は沈降・堆積しやすくなり、干潟を形成すると底泥となる。しかし、有明海では、干潟・浅海域に沈積した底泥が大きい潮汐に伴う海水の激しい攪拌のためにたえず巻き上げられる」(「有明海の生きものたち」21頁〜22頁)

・河川を通して陸上起源の栄養物質が大量に流入。恒常的に富栄養の状態になっている。しかし有明海では、これまで富栄養による赤潮発生などの弊害があまり深刻化してこなかった。

これは、大きな潮汐、大量の浮泥、豊かな生態系に支えられた大きな浄化能力が関係している。つまり、「有明海では河川から流入する豊富な粘土粒子と栄養物質によって大量のデトリタスが生産され、それが大きな潮汐に助けられてうまく生態系の食物連鎖に取り込まれ結果的に高い生物生産が達成され豊富な底生成物や魚介類が生み出されている。」

また、「内湾域で生産された底生生物や魚介類を大型動物(ヒトや鳥など)が収穫し外に持ち出すことは富栄養化を防ぐ自然浄化の最終ステップとして重要。これがなければ内湾んには栄養がたまり続け、富栄養化の弊害が大きくなるだろう。」(以上「有明海の生きものたち」26頁)

・有明海の干潟面積は日本に現存する干潟全体の約40%。諫早湾の干潟は1万年かかって形成。締め切りによって消滅する干潟面積はそのうち7%と農水省は説明。

一方、鹿児島大学佐藤正典助教授は10.7%と環境アセスメントに明記してある事と、事業により諫早湾以外の干潟の消失も続いているので全部で13%以上の消失になる事を指摘。(諫早湾の湾口12キロ、奥行き17キロ、全面積76.6平方キロ。平均大潮時に干出する有明海独特の軟泥質干潟が占める面積29平方キロ(37.9%)で湾奥部の護岸から海に向けて2〜2.5キロの線まで広がる。水深5mより浅い海面積は83.3%)

●参考文献
「有明海の生きものたち」(海游舎)第一章 執筆者:鹿児島大学助教授、
佐藤慎一氏と長崎大学水産学部、田北徹氏(魚類生態学)、

「諫早湾ムツゴロウ騒動記」山下弘文著(南方新社)


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