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シックハウス症候群(お話 :相根昭典さん 自然住宅建築家、一級建築士)


何となく、このごろ調子が悪い人、これから家を新築する人、改築する人、は特にお読みになってみてください。きっとためになることが載っています。
知っているか知らないかでは大違い。まずは、自分が楽になるところから始めましょう。
 
● お話 相根昭典さん 自然住宅建築家、一級建築士

相根さんは、大学との共同研究を含み、自然住宅の研究を十年間やられながら、実際に新建材や普及型の断熱材などを使わず、また、白蟻駆除剤なども撒かずに自然素材を生かし、最新科学と昔ながらの工法を駆使して、心と体に良い建築を手がけていらっしゃいます。

また、新築の家に移り住んだ途端に体の不調、精神の不安定、アレルギー、喘息などになった人達への具体的な救済対策、または、裁判への情報提供などによる援助活動もご好意でおやりになられています。共著の本で「健康な住まいを手に入れる本」(コモンズ)があります。

(相根さんの技術は年々進み、現在では「素材工房」という別の会社で安全な材料を扱っています。例えば、壁剤に使用されるホタテ貝のセラミックスは、空気中の化学物質を浄化する働きがあります。そのまま、捨てれば産業廃棄物になるものでも、こうして使えば一石二鳥です。)

〜このレポートに関しては、講演の記録という形にしてあります〜

自然住宅研究者 相根昭典氏講演会より(平成九年十一月二十七日 東京都連主催 全建総連会館にて)

●身の回りに潜む化学物質汚染

一日に吸う空気の量は約20から35キログラムです。特に都会での生活では、一日の大半(約八十%から九十%)を室内で過ごすことが多いのですが、最近は、実は、室内の空気汚染の方が外気汚染より悪いのです。

原因は建物に使われている有毒化学物質によります。建材、特に輸入材のほとんどは、法律の規制などにより、殺虫剤、防カビ剤や防腐剤等で処理されています。また、国内流通の建材も危ない季節(黴などが発生しやすい季節)には化学処理されています。フローリングは自然のもののように見えますが、ほとんどのものは合板でできています。

建材だけでは、まだ病気を引き起こす直接的な原因にいたらなくても、壁紙の接着剤や素材特にビニールクロス(これは是非避けてほしいとのことです)、家具の塗料や生活の中で使われている他の様々な化学物質と反応して症状を引き起こすことが多く、例えば防虫剤、芳香剤などもあげられます。それだけでも発癌物質を含んでいます。

良い香りで部屋を満たそうと思って市販の芳香剤などを使いますと、その部屋が有毒ガスで蔓延してしまうことになります。

家庭用殺虫剤、線香式蚊取り器、電気マット式蚊取り器も非常に危険です。今の線香蚊取り器には除虫菊はほとんど使われていません。木のくずにでんぷんを加え、ピレスロイド系の殺虫剤が染み込ませてありますので、蚊取り線香を焚く毎に農薬と同じような有毒ガスを蔓延させてしまいます。抗菌処理ができる最近の電気掃除機のフィルターも同じ理由で非常に危ないのです。

薬用石鹸、足の臭い消しもよくありません。クリーニングではそうそうたる有毒物質、ガスで殺菌してあります。人間は本来雑菌と共生していて、適度に汚れた環境が本当は良いのだと思いますが、抗菌によって本来の生体のバランスが崩れてきてしまっています。(相根氏は、スーツの手洗いを勧めています。そんなに型くずれしないとのこと。実際、相根氏の当日のスーツは手洗いでしたが、きちんとしていました)。

抗菌剤は最近至る所で使われています。抗菌医療、地下鉄、車、オフィスなどで。電車やバスは休みのとき燻蒸処理をしています。地下鉄で虫を見ることがないのは異常な世界だとは思いませんか?。普通地下にはたくさんの虫がいるではないですか?

衣料品では、化学繊維の他、コットン製品も実は体に良くないのです。コットンは刈り取るときに必ず枯れ葉剤を撒くので(撒かないと製品化できないそうです。)新品コットン製品をそのまま着るのは皮膚呼吸で毒をとりこみ体にダメージを与えます。

このように、生活のあらゆるところに危険が氾濫しているのですが、そう気にしすぎるのも良くないのでは、という疑問に思う方もいるかもしれません。けれども、自分が自分の体あるいは、心までコントロールできなくなった時では遅いのです。

事態は急速に悪化しており、水の汚染、大気汚染、白蟻駆除剤(これは最悪の物質)合成洗剤、など、化学汚染度の進行に伴って最近は非常に低濃度の毒物(法律の基準をしたまわるような)でも体が反応するケースが増えてきているのです。

●化学物質汚染によるダメージの実例

以前はppmのレベルで反応していたのが、今はppt=超微量レベルで1兆分の1とかの濃度でも実害があることが分かってきました。1兆分の1とは、例えばタンクローリー660台に1適たらしたレベルです)症状例としては、注意力、記憶力の低下高度な理解力の低下、目の異常、運動機能障害、耳鳴り、知覚障害、冷え性、平衡機能障害などがあげられます。

実際に関わり合った事例として、新築の病院に勤めていた看護婦さんが足に湿疹ができ、痒くて掻いても感覚がないという不思議な症状だったのですが、古い病院に移ったら症状が消えたとか、じゅくじゅくアトピーだった子が住環境を改善したらなおったとか…・新築の歯医者さんで、スタッフ全員が下痢の症状が出てしまい調査してみたら、ビニールクロスと輸入合板を使用しており、ホルムアルホルムアルデヒドが4.09ppm検出された例とかがあげられます。

2年くらい前までは、化学物質過敏症という言葉もなかったのが、今、急に反応する人が増え始め、裁判で問題にされる事例も出てきています。

自分が関わった裁判では、新築現場から六十メートル離れた所に住んでいる家族ですが、外壁の吹き付工事が始まると、呼吸困難に陥るというケース、それから、新築の家に移り住んで2週間で目がチカチカして、寝付きが悪くなり、下痢、嘔吐、喉の痛み、立ち眩み、視力そのものはオーケーだが、眼球運動が悪くなり、目で物を読む事が多い職業の方だったので、実際に仕事もできなくなり、裁判になってしまったケースとかがあげられます。

●ゴミの焼却場の問題

ゴミ焼却場の近くに家では、室内汚染のダブルでダメージを受けるケースもあります。不燃ゴミの中継所は公園をカモフラージュ的に上に作ってありますが、圧縮したゴミから出たガスを上に出しているので、そういった公園で子供を遊ばせるのは危険なのです。

井草森公園(東京、杉並区)に遊びに行っている男の子で、毎晩泣いたり、吐き気を訴えたり、脱水症状をおこしている子がいました。近所の人で生活がまともにできないので、死にたいといっている人もいます。

ドイツでは94年に環境汚染対策として、ダイオキシン100ピコグラムで子供立ち入り禁止地区、1000ピコグラムで立ち入り禁止地区に指定しましたが、埼玉県所沢のゴミ処理場では4200ピコグラム検出されており、航空公園上空では、子供立ち入り禁止以上の汚染濃度になっており、あと何年かこのまま汚染が進むとベトナム戦争時の上空と同様の汚染濃度になります。

●被害の拡大

焼却場周辺の木は枯れており、心配なのは周辺に狭山茶などを作っている畑や野菜畑もあるのですが、風向きが悪ければ、毒を被った生産物がそのまま、都内などへ出荷されることも予想されます。

又、恐ろしいのは、焼却場の後処理で、焼却した土がどこへ処理されるかという事です。ある業者では、他の土に混ぜて盛り土として宅地造成用に使っているところもありましたので、もしかしたら、自分の家の下はダイオキシンだらけかもしれないということが起こりうる可能性もあります。

●改善方法、実践と提案

実際に自然住宅手がけた例として、京都の一例をお見せしたいと思います。

(実際にスライドを見せながら)まず、基本的にその土地の土と木を使って自分はやっています。この家も京都の木で作りました。土は土地の掘返した土を使いました。ちなみに、アスファルトは諸悪の根元ですので、使わないほうがよいですね。土地の土を固めてやれば、十分です。吹きつけにはセラミック系を使いました。

大手はセラミック系でも水性アクリル塗料を使っていますが、これには、界面活性剤などが含まれており、内分泌撹乱物質が入っています。自分は、本物のセラミックを使い、仕方なく、5%のアクリルを入れています。実は、家主さんは、3ヶ月の命とお医者さんから言われていたのですが、生活の改善も提案し、2年半たっていますが、まだご健在です。

改装での改善例では、本人が成人性の喘息、奥さんがアトピーという方の新築マンション住まいのケースで、壁を自然塗料にかえてもらいました。

自然塗料は自分でもなおせます。ただ、色むらが出たり、割れたりそったりしやすいのですが、色むらなどを許せない心の狭さが実は使う側も加害者になりうるという事を知ってもらう必要があると思います。

インテリアは家具を全部ぼろぼろのアンティック家具に、ステンドグラスでアクセントをつけました。

他の建築例からいくつかのポイントをあげます。外壁に土を使い、床を楢材。バルブを金属製にします。プラスチックはよくありません。お風呂もホーローかステンレスにしてもらっています。ダニや黴の問題は、タンカコルクをたたみにはさんだり、床下の通気をよくする事で改善します。合板をはると通気が悪くなり、ダニの発生の元になり。結露も通気建材を使えば避ける事ができます。

住環境だけではなく、生活習慣全体を見直すことを提案することが大切なポイントです。

●具体的な対応策例

・空気の入れ替えをよくする
・化学的な防虫剤や芳香剤は使わない
・空気清浄器を使う
・壁紙を自然素材のものに張りかえる
・家具も天然の木材使用のものにする
・狭いところや、密閉度の高いところにはなるべく居ないようにする
・合成物質の入った飲食物をなるべく避ける

もっと詳しい実例を知りたい方は 「健康な住まいを手に入れる本」コモンズを参考になさってください。

講演の最後に相根さんは今の日本人の免疫力は低下していることを、日本人観光客が他の国から来ている観光客にくらべて菌にやられやすいことや、O157のことをあげて説明なさっていました。

自然のバランスが崩れてくるに連れて今まで問題にならなかったことが、問題になったりしてきているということでした。また、その背景には化学物質汚染による内分泌系と免疫系の破壊がおこっており、生命体は危機にさらされていることを示唆されておられました。この問題については、環境レポートの環境ホルモンをお読みください。

 

講演を聞き終わって感じた事は、消費者の責任の問題でした。消費者の意志によって、良い家を作る事もできるし、良い建築やさんを育てる事もできます。

逆にわたくしたちが不勉強で、すべて業者に任せきってしまったり、あるいは、話の中で「塗料の色むらを許せない心の狭さ」という指摘があったように、何が大切で必要かという事が分からずに、建築やさんの好意や努力を踏みにじってしまう可能性もあります。

これから、家を建てられる方や改装なさる方は、よく研究なさり、良い建築家さんと協力して、健康で快適な住環境を整えてください。


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